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昨今の幻想郷では、ゆっくりが餡子の材料、ペット、ストレス解消など様々な利用方法をされている。 そして大工の場でもゆっくりが使われていた。 家を建てる際に草木を撤去し、凸凹とした土地を平らに均す必要がある。 その時にゆっくりを使うわけだ。 まず平らにしたい土地を柵で囲っい、れみりゃ除けに網をかけてその中にゆっくりを何匹か放り込む。 逃げられないようにするためと、無必要な部分まで整地されないようにするためである。 ちなみに中にいれるのはゆっくり霊夢、それも母ゆっくりだけだ。 まりさ種を入れると何かと理由をつけてさぼったり、それが原因でゆっくり同士喧嘩しだすのでNG。 ありす種を入れると他種のゆっくりが犯されて殺されるのでNG。 ちぇん種は仕事に対して集中できないうえ目を離すと遊びだすのでNG。 みょん種などは話が通じるか分かり辛いのでNG。 そんなわけで割と素直で真面目なれいむ種が使用されるわけである。 今日もまた新たなれいむ家族が箱に詰められて現場へと連れてこられた。 箱の中からはゆっくり家族達の声が聞こえる。 「ゆっくり出してね!」 「おかーしゃん、ゆっくりできないよ!」「くらいよ!」「せまいよ!」「こわいよー!」 「うるさいなぁ。ほら着いたぞ」 大工の一人が箱を開けて中を確認する。 母ゆっくり一匹。子ゆっくり二匹に赤ちゃんゆっくり二匹。 その中から母ゆっくりだけを取り出して柵の中へと置いた。 「ゆ! ひろいよ!」 柵の中は今まで閉じ込められていた箱に比べればずっと広い。 母ゆっくりは清々しい表情をする。 「わたちたちもゆっくりだちてね!」「だしてだして!!」 子供たちの声を聞いて子供たちを思い出したのか、母ゆっくりは大工へ向かって抗議する。 「れいむのこどもたちもゆっくり出してあげてね!!」 「だめだ。お前が仕事を終わるまでこいつらは預かっておく」 「ゆ"!? なんでそんなこというの!? ゆっくりだしてね!!」 「聞けよ。仕事が終わったら放してやるって言ってんだろ」 「おじさん、なにいってるの? なかなの?? はやくこどもをだしてね!!!」 「あー、めんどうな奴らだな」 こんなやり取りを今までに何度もしてきたので大工はうんざりだという顔をする。 「仕事の説明はあそこにいる他のやつらに聞け。仕事が全部終わったら子供に会わせてやる」 同じ柵の中、向こう側で寝ているゆっくりの群れを指で示してそれだけ言うと大工は背を向けて去って行った。 「ゆっくりまってね!! こどもたちをかえしてね!!」 しかし大工は聞かず、そのまま自分の小屋へと帰った。 今晩の食事はちょうど手に入った4つの饅頭だ。 そうして残された母ゆっくりはしばらくの間、すでにいない大工や子供たちに話しかけたり、 柵に向かって体当たりしていたがどれも適わなかった。 その音に目を覚ました他の母ゆっくり達四匹が集まってきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「ゆ? ゆっくりしていってね!」 他の母ゆっくり達の挨拶に母ゆっくりも挨拶を返す。 「れいむもこどもたちをもってかれたの?」 「ゆ! そうだよ! ゆっくりしないでたすけなきゃ!!」 母ゆっくりは再び柵に向かって体当たりしようとする。 「ゆっくりもんだいないよ!」 「しごとがんばればかえしてもらえるよ!!」 と、他の母ゆっくり達は言う。 「それが本当かどうかわからないよ!!」 「だいじょうぶだよ! さいしょにいたゆっくりはこどもたちかえしてもらってたよ!!」 「ゅ! しあわせそうにおそとへいってたよ!!」 それは他のゆっくりに、がんばれば子供を返してもらえると示すための大工によるヤラセのようなものだ。 ちなみにその子供を返してもらったゆっくりは他の現場へと連れていかれたが、残るゆっくり達は知る由もない。 ただ、仕事を頑張れば子供と一緒にゆっくり出来ると信じていた。 「じゃあだいじょうぶだね! しごとってなにをするの!?」 他の母ゆっくり達の言葉に安心した母ゆっくりはようやく仕事する気になったようだ。 「ゆっくりせつめいするね!!」 「しごとはここのじめんをぺったんこにするだけだよ!! たべものはここにあるくさだよ!!」 「でもくさをいっぱいたべないでね! これいがいはないからね!!」 「ゆっくりわかったよ! みんなでゆっくりがんばろうね!!」 さすがは母ゆっくり、今の説明で理解できたようだ。 母ゆっくりの群れなので食事の量の管理も問題ないだろう。 それから母ゆっくり5匹のお仕事が始まった。 昼間は小石を柵の隅へと退かしたり、口や大きな体を使って地面を平らにしていく。 また、食事と整地も兼ねて草を食べていく。 疲れたらそれぞれ自由に休んでいた。 暗くなるとゆっくりタイムだ。 といってもこの辺りは明かりになる物もないのでみんなで擦り寄って眠るだけだが。 子供たちのことが心配ではあったが、仕事が終わればまた家族でゆっくり出来る。 それに共にがんばった他のゆっくり達の家族とも一緒に遊ぼう。 最初ここに連れてこられた時は不安でしょうがなかったが、甘い未来を想像するとゆっくり出来た。 それから一週間経ったころ、大工は様子を見にきた。 最初は凸凹で草木もたくさん生えていたこの土地はしっかり整地されていた。 草一本生えず平らになっていた。 「いい感じだな。よくやったなお前たち」 「ゆっくりがんばったよ!!」 「ゆうしゅうでごめんねー」 「ゆー♪ゆー♪」 自分たちのがんばった仕事を褒められてゆっくり達は嬉しそうだ。 仕事の最後の方は食べるものも少なくなって辛かったが、労いの言葉にゆっくり達の言葉は満たされた。 「がんばったのだからご褒美をあげないとな」 「ゆ! おぼえてるよ!! はやくこどもにあわせてね!!」 「あとおなかへったからごはんもってきてね!!」 「こどもたちはゆっくりしてる? ゆっくりあいたいよ!!」 「ごほうびごほうび!! こどもとたべものちょーだいね!!!」 「こどもたちといっぱいたべたいよ!!」 ご褒美と聞くと5匹の母ゆっくり達は口を揃えて望みを言う。 「じゃあ、そこまで連れていくからこの箱に入れ」 大工はそう言うと、持ってきた5つの木箱をゆっくり達のいる地面へ置く。 「はこ? はこはいやだよ!」 「せまいからゆっくりできないよ!!」 「お前たち疲れてるじゃないか。だから箱に入れて運んでやるんだよ」 「じゃあもっと広いはこにしてよね!!」 「まっててあげるからゆっくりよういしてね!!!」 「嫌だよ阿呆饅頭。とにかく箱に入らないなら食事無しで子供にも会わせないからな」 図々しいゆっくり達もさすがに食事と子供を盾にされると贅沢言わなくなり、自分から箱へと収まった。 「ゆっくりはこんでいってね!!!」 リヤカーにゆっくりの入った木箱を5つ積むと、大工はリヤカーを引いていく。 何も見えずにただ揺らされるゆっくり達は不平不満を垂らす。 「ゆっくりできないよ! いつつくの!?」 「おそとがみたいよ!」 「ゆれがはげしいよ! ゆっくりはこんでね!!」 しかし大工にとってそれは雑音にすぎない。 無視してリヤカーを引いていく。 そして数時間後、ゆっくり達入った木箱の蓋が外されて地面へと降ろされる。 「ゆっくりできるよ!」 「ひろいよ! くさがいっぱいあるよ!!」 「ゆ? こどもたちは? どこにいるの!?」 「ゆっくりしないで会わせてね!!」 「今度はここで仕事だ。前と同じだからがんばれよ」 「ゆ”! どういうこと!! やくそくがちがうよ!!」 「ゆっくり達のしごとはもうおわったんだよ!!」 「仕事はあそこだけなんて言ってないだろう?」 「い、いやだよ!! もうしごとしないよ!!」 「そうだよ!! はやくしょくじとこどもをもってきてね!!」 「そしたらしごとすることかんがえてもいいよ!!」 「食事ならそこにいっぱい生えてるじゃないか」 大工の指差した先には確かに草木が茂っていた。前の土地よりも多いかも知れない。 「あまいのがいいよ!」 「おかしもってきてね!」 「あとこどももね!!」 「こどもは仕事が全部終わったらって約束だろ? じゃあ後はがんばれよ」 ゆっくりとの無駄な問答に付き合ってられないと大工は去って行った。 「ゆ"う"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!! まっでえぇぇぇぇぇ!!!」 「せめて! ひとめだけでもみせてね!!」 「ゆっくりまたないとおしごとしないからね!!!」 最後のゆっくりの言葉に反応して大工は振り返る。 「一か月後に仕事ができなかったら子供は食べるからな? しっかり仕事しとけよ?」 今度こそ大工は去っていった。 後に残されたのは柵に囲まれた広大な土地と5匹のゆっくり達だけだった。 今度の仕事場は大豪邸でも建てるのか前に比べてずっと広い。 5匹のゆっくり達は誰も何も言わず呆然と佇んでいた。 一ヶ月後に見事に仕事をやり遂げた5匹のゆっくり達はご褒美をもらえた。 苦しむことの無いよう鉈で一刀両断。これがご褒美だ。 きっと子供たちに会えるはずだ。仕事を始めた日には死んでいた子供に。 きっとあの世でね。 終 by ゆっくりしたい人 主にゆっくりれいむ家族を虐めたいだけ。虐待というか人質とって強制労働というべきか。 ある種グッドエンドっぽいけどあの世で子供に会えるか決めるのはえーき様。 このSSに感想を付ける
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ペットショップネタ 読みづらいのはいつものこと れいむはれいむお母さんから生まれた。とてもゆっくりしていてお歌も上手だった。 お姉ちゃんや妹もたくさんいてみんなと遊んだり、ご飯を食べたりするととてもゆっくりできた。 このままずっとゆっくりしていたい。 でもそれは突然終わりを告げた。 朝になってれいむが目を覚ましてお決まりの「ゆっくりしていってね!」というとてもゆっくりできる挨拶をすると 近くにいた姉妹たちも目を覚まして「ゆっくりしていってね!」を返す。 でもその日はいつもと違い、お母さんの「ゆっくりしていってね!」はなく、辺りを見回してもお母さんはいなかった。 頑張って探しても見つからない。れいむは寂しくて、ゆっくりできなくて泣いてしまった。 その時、お兄さんがお部屋に入ってきた。いつもれいむたちにゆっくりできるご飯をくれる人間さんのお兄さん。 お兄さんならお母さんがどこにいるか知ってるかもしれないと思い、れいむはお兄さんに尋ねた。 「れいむたちはこれからもっとゆっくりするために、お母さんから離れてここで暮らすんだよ」 そんなことはない、お母さんと一緒にいればゆっくりできる。だからお母さんに会いたい。そうお兄さんに伝えても 聞いてくれなかった。 「あっちを見てご覧」 お兄さんが指差した方にはれいむたちよりも大きいれいむが「ゆっくりしていってね!」と言っていた。 だがそれはれいむたちにむかって言った言葉ではない。そのれいむは透明な壁さんの向こうにいる人間さんに必死に 「ゆっくりしていってね!」と言いながらぴょんぴょん跳ねていた。その様子はゆっくりできているとは思えなかった。 お兄さんはあのれいむを指差しながら 「ゆっくりできるゆっくりには飼い主さんが現れてもっとゆっくりすることができるんだ。だから みんなはゆっくりできている姿を見せてあげてね」 もっとゆっくりできる、その言葉にれいむは敏感に反応した。きっとたくさんのあまあまが食べられる、 ぽかぽかしてふわふわなベッドがある、そして綺麗なゆっくりと一緒になって赤ちゃんをたくさん産んで もっともっとゆっくりできるに違いない。れいむは目を輝かせバラ色の生活に胸を躍らせた。 もっとゆっくりしたい、そうと決まったられいむは我先にと透明な壁さんの向こうにいる人間さんに れいむがいかにゆっくりしているかを教えなければと、れいむは透明な壁さんの近くで一生懸命 「ゆっくりしていってね!」と言った。 お兄さんは大きいれいむを抱えてお部屋を出て行った。きっとあのれいむは飼い主さんが現れたのだ。 次はれいむの番だよ!「ゆっくりしていってね!」 月日は流れ、れいむは今日も向こうにいる人間さんに「ゆっくりしていってね!」と挨拶をする。 周りにはれいむのお姉ちゃんも妹も誰一人としていない。みんないなくなってしまった。きっと今頃は 飼い主さんと一緒にゆっくりしているに違いない。でもまだれいむの飼い主さんは現れない。 「ゆっくりしすぎだよ……れいむもゆっくりしたいよ……」 もう何回寝たかもわからない。それでも飼い主さんは現れない。れいむはこんなにゆっくりしているのに、 どうしてれいむにだけ飼い主さんが来てくれないの?お兄さんに尋ねてもわからないと言われた。 でも今日はいつもと違った。お兄さんがご飯ではなく、たくさんの小さいれいむたちを抱えてきた。 みんな眠っていてとてもゆっくりしている。でもれいむには関係ない。早く飼い主さん来てね! 透明な壁さんの向こうの人間さんにれいむがゆっくりしていることを教えてあげることに集中する。 やがて小さいれいむたちが目を覚ます。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 お兄さんが何か言っている。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 小さいれいむたちが透明な壁さんの向こうの人間さんに「ゆっくりしていってね!」と言い始める。 れいむも負けじと叫んだ。「ゆっくりしていってね!!」 その時すっとれいむの体が浮いた。「おそらをとんでるみたい!」と自然と声が出た。 気付くとお兄さんに抱きかかえられていた。しばらく考えて思い至った。 やった!ついにれいむにも飼い主さんが現れたんだ!れいむは舞い上がった。 でもゆっくりしすぎだよ!だからその分、たくさんゆっくりしようと考えた。 まず何をしようか、たくさんのあまあまさんが食べたい。その次にふわふわしたベッドで お昼寝しよう。そしてとてもゆっくりしたゆっくりと一緒に赤ちゃんを作ってゆっくりするんだ。 れいむはこれからの生活を思い、喜びに満ち溢れていた。 そしてさっきとは違うお部屋に入った。まず暗い、なんだかゆっくりできない気がする。 「ご飯だよー」 「ゆゆっ?ごはんさんはいらないよ!かいぬしさんのところにつれていってね!」 「あまあまだよーいらないのー?」 あまあま!欲しい!きっとお兄さんはれいむのお祝いのためにあまあまをくれるんだ! それならそうと言ってくれればいいのに、「ちょうだいね!」と言おうとして固まった。 「うーうー♪あまあまー♪」 初めて聞く声なのにとてもゆっくりできない声。その声はれいむよりも上にある木のおうちからした。 そしてそこからピンクのお帽子、ニコニコと笑った顔、そして後ろにはゆっくりしてない黒い羽。 「れ、れ、れみりゃだー!!!」 自然と口から出た。はじめて見るはずなのに。でも体は勝手に動いた。お兄さんの腕から飛び降りて 部屋の隅に逃げる。 「あのれいむ食べていいよ」 「なにいっでるのおおおお!?」 「うー!」 れみりゃがこっちに来た。逃げなきゃ、さっき入ってきた壁さんに急いで跳ねた。でも開かなかった。 「どおじであがないのおおおお!?」 「うーうー」 「ごっぢごないでねっ!ゆっぐりじででっでね!?ゆっぐりじででっでね!?」 ゆっくりしていってね、これでゆっくりしないはずがない。でもれみりゃは止まらなかった。 「ぎゃおーたーべちゃーうぞー♪」 「おにいざんだずげでええええ!!ゆぎゃああああ!!」 お兄さん、いつもご飯を持ってきてくれるお兄さんなら助けてくれるはず。でもお兄さんは何も答えなかった。 れみりゃがれいむに噛み付いた。痛い、ものすごく痛い。こんなこと生まれてから一度もなかった。気が狂いそうだった。 「がいぬじざああああんんんん!!れいむをゆっぐりざぜでええええ!!」 飼い主さんに助けを求めた。飼い主さんはれいむをゆっくりさせてくれるんだ。呼べば必ず来てくれるはずだ。 だが来なかった。 「どおじでええええ!?れいむはごんなにゆっぐりじでるのにいいいい!!」 ゆっくりしてるれいむがゆっくりできないはずがない。なのにどうしてこんな目にあわなければならない。 れいむはこれからたくさんのあまあまを食べて、たっぷり寝て、綺麗なゆっくりと一緒になって、 それから、それから……なんだっけ?もう思い出せない。餡子さんいっぱい吸われちゃったせいかな。 「もっと…ゆっくり…したかった…」 れいむはゆっくりできないまま、絶望と苦痛の底に沈んだ。残ったのは何の表情も浮かず、 何も語らない皮だけであった。 れいむの餡子を全部吸い尽くしたれみりゃはご満悦な表情でれいむの成れの果てから口を離し、 巣である木箱の中へと戻っていった。これだけたくさん食べたのだからもう食べられないのだろう。 まだ食べてもらわなければならないゆっくりはいるのだが次の食事まで待つことにしよう。 このれみりゃは売り物にならないれみりゃだった。一緒に生まれた姉妹たちはゆっくり以外のものも 喜んで食べていた。だがこのれみりゃだけはゆっくり以外を口にしようとしない。ゆっくりを毎回の 食事にしていては食費でとんでもないことになる。ペットとしては失格だった。 だが幸いなことにうちはペットショップであり、廃棄されるゆっくりは毎日のようにでる。 これはあまり綺麗ではないから、これは声が悪いから、これは帽子の形が悪いから。しかし捨てるには 店のイメージダウンになるから普通のゴミに捨てるわけにはいかない。しかたなく業者に頼むが 金がかかって仕方ない。そこでこのれみりゃに処分してもらっているのだ。 あのれいむは子ゆっくりとして売り出した内の一匹だったがその中でも群を抜いて駄目なやつだった。 なんと言うか他人を見下すような態度を取っていたのだ。しかもそれを自覚していない。 こんなのでも欲しがる人はいるかもしれないと思ったのだがやっぱり駄目だった。 ゆっくりしたいという気持ちが面に出すぎていてゆっくりさせることができていなかったのだ。 ただ飯食いの役立たずだったな、と思うがパチンコで負けたと思えばそこまで懐は痛くない。 部屋に箱を持ってきて中身を取り出す。今日追加した子ゆっくりの中で駄目だと思ったのを 抜き出してれみりゃに食べてもらうためだ。腹が減れば勝手に食べてくれるだろう。 「ゆっくりしていってね!」 声をかけてやると皆一斉に「ゆっくりしていってね!」と返す。 残り数時間の生だ。最後までゆっくりするといい。扉を閉めてその部屋を後にした。 終わり ペットショップは全部が全部売れてくれるわけではないのです。 じゃあ売れ残りはどうなるのか?などと考えて書いてみました。微妙。 『オマケ』でした。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4738.html
ゆっくり。人語を解し、饅頭なのに自由に動く奇妙な存在。 何時人の世に姿を現したのかも判然としない現代の神秘はいつの間にか人々の暮らしの中に浸透していった。 あるものは美味しい食材になり、またあるものは人間とともに働き、あるものはペットに。 それに伴って、様々なゆっくり関連企業が相次いで誕生し、ゆっくり向けの商品を開発していった。 今日、俺が買ってきたのはそんな数ある商品の中のひとつである。 「ゆゆっ!おにーさん、それなあに?」 「これはな、ゆっくりカスタムキットさ」 「かすたむきっと?」 家に帰り、早速箱を開けるとまりさが興味津々と言った様子で中を覗く。 「ああ、そうさ。まあ言ってみりゃ化粧みたいなもんだ」 「ゆゆっ!おけしょーさんならしってるよ!とってもゆっくりできるんだよ!」 「そうだ。これさえあればどこにでもいる普通のゆっくりでもオンリーワンの特別なゆっくりに早変わりさ」 俺の言葉を聞いて、ぱぁっと後光が見えそうなほどに朗らかな笑みを浮かべるまりさ。 その表情は言葉よりもはっきりと「はやくおけしょうしてね!」と俺に語りかけている。 「それじゃ、さっそく・・・こいつを試してみるか。まりさ、こっちこい」 「ゆっくりりかいしたよ!」 そう言うが早いか、まりさは俺の傍に来ると後頭部を向けて、ゆーゆー歌い始めた。 一応信頼してくれているのか、帽子をとっても抵抗する気配は無い。 「えーっと・・・このクリームをくしでしっかり・・・」 「ゆぅ~ん・・・なんだかきもちいいよぉ~♪ おねむになってきちゃったよ・・・」 髪を梳かされるのがよほど気持ちよかったらしく、まりさは数分で眠りに落ちてしまった。 「ゆひぃ!?」 「流石に起きるか・・・痛いだろうけど、我慢しろよ!」 数分後、まりさは突然鋭い痛みに教われて覚醒を余儀なくされた。 鋭い痛みの正体は俺が手にしている刺青用のナイフで、ゆっくりに刺青を施す場合これを用いるらしい。 「ゆぐっ!?や、やべでね、ゆっぐぢぃ!?」 「お前のためにやってるんだから、我慢しろ!」 「ゆぶっ!?」 抵抗するまりさに平手打ちを食らわせてから、右頬を上に向ける。 ゆっくりに刺青を施すのは思いのほか簡単でまずペンで彫りたい模様を描き、その次に皮を少しだけ切り取る。 次に切った箇所を上に向けてから色素を流し込み、切り取った皮をくっつけて数分放置。 この工程を細かく分けて何度も繰り返すことで少しずつ完成に近づけてゆく。 「ゆびぃ!?いぢゃ!?いぢゃいいいい!?」 「うるせぇつってんだろ!?」 「ゆばぁっ!?」 今度は握りこぶしをまりさの底部にお見舞いした。 ゆっくりにとって最も重要な箇所に痛打を受けたまりさは素直に泣き止んだ。 「よし、いい子だ。抵抗しなけりゃ痛いことはしないんだからじっとしてろよ?」 「ゆぐっ・・・ゆっぐぢ、りがい・・・ぢぃ!?」 「喋ると手元が狂うから黙っててくれ」 しかし、痛いものは痛いらしく涙を堪えられないまりさ。 あまり長時間じっとさせておくのも可哀想なので、できるだけ急いでこの作業を済ませてやった。 次の作業はアクセサリーの装着。 しかし、生首饅頭のゆっくりにとってアクセサリーをつける方法と言えば髪以外はピアスのような方式しか存在しない。 よってこの作業にはキリが無いのでドライバーを片手に行うことになった。 「ゆひぃ!?」 「マジで動くなよ?動くと大穴が開くぞ?」 「ゆぐっ・・・!?」 まりさに注意を促しつつ、出来るだけ小さな穴を開けてからそこにキット付属のリングを通し、外れないように固定。 その度にまりさは短く悲鳴を上げるが、それ以上何かをする様子を見せずにじっと我慢している。 「いい子だ。すぐに終わるからな?」 「ゆっぐぢぃ・・・」 こうして5分ほどでキット付属のリング10個を全て装着し終えた。 流石に舌とまぶたに通すときは逃げようともがいていたが、頬を打てばすぐに大人しくなった。 それから帽子のカスタムも済ませ、髪がしっかり染まったのを確認した上で鏡の前へ。 そこには顔の右半分が色とりどりの星に覆われ、真っ白な髪をした、真っ赤な帽子を被ったまりさが映っている。 そいつは両目の瞼に1つずつ、舌に2つ、唇には4つ、それから下あご付近に2つ、左頬に1つのリングを装着していた。 「ゆぅ?・・・このこだあ・・・れ?」 「もちろん、お前」 そう言いながらまりさを指差してやると、この世の元は思えない悲鳴を上げ、白目を剥いて気絶した。 「・・・・・・やっぱダメか」 それから数週間後。 俺の家には新しいペットのゆっくりれいむの姿があった。 まりさは大分前に追い出してやった。 理由は単純で、俺に怯えるようになって可愛くなくなったからだ。 それに頭を冷やしてから改めてまりさを見ると、無数の星がなんだか薄気味悪かった。 それでもせめて可愛い子どもくらい産めれば住ませてやっても良かったのだが、まりさはそれすらも出来なかった。 原因は刺青に使った色素にゆっくりに有害な物質が含まれていたから。 要するにまりさからは奇形しか産まれなかったのだ。 こうなってはもはや飼う価値もないと判断し、子どもを産ませるために飼ったれいむと一緒にあいつを追い出した。 「宅配便で~す」 「はいはい・・・っと」 郵便物を受け取り、リビングで開ける。 それの正体はカスタムキットの有害物質を除去したものだった。 どうやらクレームに応じて購入者に無料で配っているらしい。 「ゆぅ?おにーさん、これなあに?」 れいむは興味津々と言った様子で箱を覗き込んだ。 ‐‐‐あとがき‐‐‐ この間、体毛がめっちゃレインボーなポメラニアンを見た 捨てられたまりさの末路は・・・誰か書いてくれないかなぁ あねきィとか 【ゆっくりカスタムキット】 大事なパートナーだからこそ世界で唯一であって欲しい・・・ そう思う貴方のゆっくりを可愛くデコレーション! 基本セットは以下の通り 刺青用ナイフと色素 デコレーションシール 毛髪染色液 お飾り染色液 アクセサリー(人間で言う所のイヤリング) byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
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お兄さんに引き渡された子供は怯えていたただ2匹はまだ余裕かましていた「さて、では殺すね」 「ゆ?劣った種族の人間が何言ってるの?ばかなの?死ぬの?」 「そうだぜクソ人間なんてったって魔理沙には最終兵器があるんだよ?このエクスカリバーが」そう言ってそんなに尖っていない鉛筆を取り出してきた「うわー強そうだなーわかった奴隷になるよ(棒)」「ゆっへっへそうしないとこれでクソ人間ぐらいひと刺しだぜ」すっかり罰を受けにきたのを忘れたらしいまあ好都合だが俺はそうやって油断させておいたそしてすぐさま奪ったついでに帽子も「ゆゆっ?クソ人間何するんだぜ!早くお帽子さんとエクスカリバーを返すんだぜ!そうしないと殺すよ?」返事は帰って来ない そしてお兄さんは帽子びりびりに破いた「ゆわぁぁぁぁぁ!!まりしゃのお帽子さんがぁぁぁぁぁ!!」「·····」霊夢は黙って見ていた「おい!!クソ人間!!!!もう殺してやるぅぅぅぅぅ!!!!!」そう言って突進していったもちろん全然効かない「ゆゆっ何でぇぇぇぇぇ!?ゆわぁぁぁぁぁ!!なんでだぜ!?なんでだぜ!?」「黙れ」パーン!!お兄さんのビンタが炸裂した「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁ!!いぢゃいいぢゃいいぢゃいよぉぉぉぉぉぉ!!霊夢!助けてくれだぜ!」魔理沙は霊夢と一緒に戦えばこんな人間すぐやっつけられ、群れに報復できて里を乗っ取れると思っていた だが霊夢は予想を裏切った ドーン!ポスっポスっポン「ゆ?霊夢?なんでだぜなんでだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」「1人で勝てないゲスはしねえぇぇぇぇぇ!!」 「ふーん なら霊夢は勝てるかな?」「ゆ?当たり前でしょ?霊夢は最っ強なんだよばかなの?死ぬの?」また同じように突進してきたもちろん全然効かない「ゆぅぅぅ!!こんのっ!こんのっ!!こんのぉぉぉぉぉぉっ!!!」「ん?それで本気なの?俺に1人で勝てないならここの全員敵に回すことになるよ?」「ゆ?ゆ?ゆ!?ゆぅぅぅぅぅぅぅぅ!?!?」「ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりゆっくりぃぃぃぃぃぃ!!」どうやらプライドが崩れたのと全く効かないので狂ったらしいただ 数分後には息を切らしながら戻っていたそして数分後には死ぬだろうと言うものを食らわしてやった『ゆ?ゆ?何で?何で最強の霊夢が負けたの?何でこうなったの?そうだすべての原因は魔理沙だ魔理沙が勝てないから霊夢はやられたんだくそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!魔理沙めぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』「魔理沙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」霊夢は最後に魔理沙を恨みながら死んでいったさて次は子供だだけど子供は雑に潰していった3分後···さてこいつで最後か「ま 待ってだぜぇぇぇぇぇ魔理沙を殺すとおとーさんとおかーさんに殺されるよぉぉぉぉぉぉだからやめてねぇぇぇぇぇ!!」「おかーさんは死んでるけどね」「何でなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぶっ!?」さて後は魔理沙だけか ん,そうだこいつは山に捨てよう!「魔理沙安心しろお前だけは怪我させずに山に戻してあげる!」「ゆ?本当かぜ?」「ああ」魔理沙はその瞬間最高の喜びを感じた シュルッ 気づくとリボンがほどけていたこれで手として使うこともできない「ゆ?何でなのぉぉぉぉぉぉ!!お兄さん約束が違うんだぜなんでリボンさんほどくのぉ!」「約束は守ってるよだってまだ怪我はさせてないだろ?」その瞬間魔理沙は直感したどういう目的かをだが時既に遅しもう山の方に飛んでいた「お空をとんでるみたべっ! ゆ?ここはおやまさん!ついに生きて戻ってきたのぜ!また群れに入るのぜ!」まだ魔理沙は気づいていない帽子がないことに「ゆ?あそこに群れだぜ!おーい」パ「ん魔理沙?」ア「都会はな魔理沙の声だわぁぁぁぁぁん!!」「魔理沙どこなの?」「魔理沙どこぉぉ」「魔理沙ー」「ゆ?ここにお帽子のないゆっくりがいるよ?」「ほんとだわ帽子のないゆっくりだわ」「ゆ?」「魔理沙ーすっきりしましょうねぇぇぇぇぇ!!」「嫌だあぁぁぁぁぁすっきりーすっきりーすっきりー」数分後あとには茎のはえた黒ずんだだけだった 完
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実に投棄場行き 虐待成分薄めどこか0 ――――――― ゆっくりを虐めたい、そう思い立ち山を歩くこと数分、ゆっくりまりさを見つけた。 草を千切り、口に詰め込んでいるが食べている様子はない。 巣に持って帰るのだろうと思い、ゆっくりまりさの後をつける、 しばらくするとゆっくりまりさの巣であろう小さなほら穴に到着した。 「ゆっくりもどったよ!」 「おかえり、まりさ」 家族がいるようだ、後をつけてよかったと口をゆがめる。 そっと中を覗き込むとにんっしんしているのであろうゆっくりれいむが一個、 幸せでないと胎生の出産はしないと聞くが、心なしかそのゆっくりれいむは悲しそうに見える。 「ここをあかちゃんのねるばしょにしようね!」 ゆっくりまりさは運んできた草をゆっくりれいむの前に広げた なんという幸運、ゆっくりの出産まで見ることができそうだ、 饅頭の事情なんぞ知ったことではない、子ゆっくり共々どうやって虐めてやろうかと思いを馳せる。 「…まりさ、あっちにいってもいっしょにゆっくりしようね」 「ずっといっしょだよ!やくそくするよ!」 あっちに行く?逝く?、出産で死ぬということなのだろうか、どちらにしても意味がわからない。 「ゆげっ…げぷぅ…ぇ゙っ…お゙げぇ゙ぇ゙゙ぇ゙」 エレエレエレエレ 突然ゆっくりれいむが"何か"を吐き出しはじめた、 カエルの卵のような"何か"を。 出産が始まるとばかり思っていたのだがそれよりおぞましい光景に目が釘付けになる。 数分後、いや数秒のことだっただろう、残ったのは白目をむき、苦悶の表情のままピクリとも動かないゆっくりれいむ、 カエルの卵のような"何か"、そしてゆっくりまりさ。 「れいむ、いっしょにゆっくりしようね…ゆぶぅっ…げべぇ…ぇ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙」 エレエレエレエレ 一言放ちゆっくりまりさは白くてどろどろした"何か"を、カエルの卵のような"何か"に吐きかける。 やせ細り、この世の終わりのような表情を浮かべ、ゆっくりまりさも動かなくなった。 後に残されたモノは気持ち悪い"何か"、動かなくなった二つの饅頭、静寂。 「うわああああああああああ!」 何故だかとても恐ろしくなった俺は大声を上げ、その場から逃げ出した。 逃げながら心のどこかで思った、俺は虐待お兄さんにはなれない、と。 ――――――― 最後まで読んでくれた人ありがとう!そしてごめんなさい。
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※タイトルと作中一部で使われている元ネタについてはスルーの方向でお願いします ※一行だけですがうんうんやしーしーネタが出てしまいます。ごめんなさい ※少々汚いです ある所にちょっとしたゆっくり一家をペットとして飼っている青年がいた。 親子合わせて五匹程の、平均のゆっくり一家よりはやや少ないがこれといった特徴のない一家だった。 れいむとまりさ種の五匹家族は飼いゆっくりのため、もちろん野生よりは良い生活を送っているのだが、納得いってない事があった。 それは青年がゆっくりの他に飼っているペットの猫だ。青年はゆっくり一家よりも遥かにこの猫を溺愛している。 夏場の涼風や冬場の暖房など、いわゆるゆっくり達の言う〝ゆっくりプレイス〟を青年は優先的に猫に与えている。 粗相をした時などは猫の場合は軽く叱るだけで丁寧に後始末をするというのに、ゆっくり一家がうんうんやしーしーの粗相をすれば死ぬ程殴られる。 それになによりも食事の格が違う。 ゆっくり一家が与えられているのは料理の際に出た野菜クズや残飯。その上自分で採って来いと軒下や庭に放り出される事もある。 それに比べて猫が与えられているのはニキロ三千六百円もするキャットフード。 月にニ、三は高級の猫缶までついてくる。 ゆっくり達に円の相場は分からなかったが、自分達のそれに比べて遥かに高級で美味しいということは理解できた。 同じ家に住んでいながらこの差は何だ。 親れいむと親まりさは憤怒し、子供たちもそれに倣う。 「ぷんぷん! まりさたちにおいしいごはんくれないで、ねこさんばっかりゆっくりさせるなんて!」 「れいむたちもゆっくりしたいよ!」 「「「ぴゅんぴゅん!!」」」 ゆっくり一家の怒りももっともだが、青年が猫の方を圧倒的に可愛がるのも無理もない事ではある。 その猫はもう十数年は生きている老猫であり、青年が子供の頃より一緒に暮らしてきたのである。 人生の半分以上を共に過ごして来た家族と、短命の新参饅頭を比べれば当然猫の方に情が傾くというものである。 ゆっくり一家が生まれる何年も前は元気に走り回っていた猫も、今や日がな一日寝ては食っての生活。 後はもう余生をゆっくりまったりと暮らすのみである。ゆっくりよりもこの猫の方が遥かにゆっくりしている。 青年としても、残り少ない余生を親愛なる家族に幸せに暮らしてもらいたいと思っている。当然の事だ。 だが、そんな事は知らないゆっくり一家の怒りが爆発するのも、時間の問題だった。 ある日の事。ゆっくり一家と老猫は同じ部屋でゆっくりしていた。 南側に面するその部屋には窓から陽気な日差しが降り注いでいる。猫はその陽を浴びながらゆっくりと寝ていた。 ゆっくり一家も日差しを直接浴びてはいないものの、ぽかぽかと暖かい部屋でソファでゆったりとくつろいでいた。 現在この部屋に青年はいない。つまり、止める者は誰もいない。 今こそ絶好のチャンスだと親れいむと親まりさは思い立った。 「ゆゆっ、れいむ、ねこさんゆっくりしてるよ」 「ゆっくりしてるね」 猫に聞こえないように小声で(本人達が思っているだけでちゃんと猫の耳には届いている)話し合う二匹。 子ゆっくり達も親達のたくらみに気付いたのか息を潜めて気配を殺そうと努めている。 ゆっくり一家の不満は募りに募っていた。 同じ家で暮らしている家族でありながら自分だけ美味しい物を食べてゆっくりしている。 野菜クズをほおばる自分たちに見せ付けるかのように美味しそうにご飯を食べる老猫。 本来その怒りは飼い主の青年に向けるべきであろうが、そんな考えはゆっくり一家にはなく、ただ自分達を差し置いてゆっくりしている猫が許せないという思いが先立っていた。 そうしてゆっくり一家は反乱を企てた。いや、ただの八つ当たりか。 「そろ~り、そろ~り」 ゆっくり一家は声をそろえて猫が寝ているところまで息を殺して這い始める。 もちろんバレバレだ。全然気配を殺せていない。 猫まで二十センチというところで、それまでゆっくり一家を無視していた猫が顔を起こしてゆっくり一家へとけだるそうな視線を向けた。 「ゆゆっ! きづかれちゃったよ!」 「いまさらきづいてもおそいよ!」 れいむは焦ったがまりさは怯まなかった。 猫が顔を起こしたのを確認するやいなや、猫に向かって一気に跳ねて体当たりを食らわせた。 ボヨン、とまりさの体が猫にぶつかる。 猫は慌てて跳ね起きた。ダメージこそないものの、バレーボール大の大きさの物がぶつかって来たらそりゃ驚く。 だが猫にとってそんな当たり前の行動も、ゆっくり一家にとっては親まりさの攻撃に恐れおののいたと思えた。 「ゆゆ~っ、まりさすご~い!」 「「「まりしゃおきゃぁしゃん、しゅごぉぉぉぉい!!」 「ゆゆ~、てれるよ~」 頬を若干赤く染めてくねくねと身を捩るまりさ。 一家の賞賛とそれに照れるまりさという茶番を尻目に、猫は少し離れて再び寝に入ろうとしていた。 だがそれを親まりさは許さなかった。 「ゆゆっ! ゆっくりしないでね、ねこさん!」 ボスン、と再び体当たり。猫は再び跳ね起きて後退する。今度は無視せず、親まりさの方へとその鋭い眼を向ける。 「ゆゆ~、に、にらんでもだめだよ! まりさたちよりゆっくりしているねこさんは、ゆっくりしないでね!」 親まりさは年季を感じさせる猫の眼光に一瞬怯むも、すぐに強気に出た。再び体当たりを敢行しようとする。 だが、それにクロスカウンターを決めるかのように猫も飛び掛った。 両前足でまりさの体を挟み込むと、その牙を親まりさに突き立てたのである。 「ゆ゛っ!? ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! いぢゃいよ゛ぉぉ!!」 「まりざっ!?」 「おきゃあしゃん!?」 普段のんびり寝ている姿しか知らないゆっくり一家にとってこの猫の反撃は予想外だった。 実はゆっくり一家の知らない所ではあるが、この猫は若い頃近所の猫と毎日喧嘩に明け暮れる毎日を送っていた歴戦のつわものであった。 「ゆびびびびっ! ばりざをだべないでね゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」 両前足で動きを封じられ猫に牙をつきたてられた親まりさは、先ほどの威勢もどこへやら涙で顔をグシャグシャにしている。 ちなみに噛んでいるだけで食べている訳ではない。 「ゆ゛っぅぅぅ!!! まりしゃおきゃーしゃんをだべないでね゛っ!」 「ねござん、やべちぇね゛っ!」 「ゆわ゛ぁぁぁぁぁぁぁん!!」 「ゆゆっ! まりさ、いまたすけるよ!」 親のピンチに涙を撒き散らして泣く子を尻目に、親れいむは駆け出した。親まりさを助けるために。 正面から行ってもパワーもスピードも上回る猫からまりさは救い出せない。ならば弱点を突くのみ。 親れいむは親まりさを夢中で前足で弄んだり噛んだりしている猫の後ろ側に回り込むと、その尻尾に全力で噛み付いた。 「ぶにゃっ!?」 さしもの猫もこれには怯んだ。親まりさを解放するとすかさずその場から離脱しようとする。 だが、猫の尻尾に全力で噛み付いている親れいむがそれを許さない。 猫は自分の尻尾に噛み付いている親れいむに猫パンチを繰り出すが、親れいむは必死に踏ん張って離そうとしない。 親れいむはかつて、青年が猫の尻尾を踏む場面を見ており、猫の弱点が尻尾であると知ったのだった。 「ゆゆっ! れいむゆっくりありがとう! いまたすけるよ!」 必死に涙目で猫パンチを耐えている親れいむの加勢をするべく自由の身になった親まりさが体当たりをしかける。 子ゆっくり達はそんな親達の勇姿に声援を送る。 数の力だろうか。今やゆっくり一家は既に勝った気でいたのだった。 「ゆゆっ! ねこさんゆっくりしたかったら、まりさたちをゆっくりさせてね!」 まりさがそう大声で言って猫に噛み付くのと、青年がその部屋に入ってきたのは同時だった。 「ゆび……ごべっ、ごべんなざい……」 「ゆっぐぢざぜでぐだぢゃい゛ぃぃぃぃ……」 「ゆえ゛ぇぇぇぇぇぇん……」 あれからゆっくり一家の生活は激変した。もちろん、悪い方向に。 まず餌が与えられなくなった。一日の朝、親まりさを軒下か庭に放り出して自力で餌を集めさせる。 もちろん、庭の花を抜いたら死んだ方がましと思える折檻だ。 親れいむはというとゴミ箱になった。 大口を開けさせて器具で固定。もはや生ゴミ等の食べ物ですらない、ちり紙や木屑などが強引に口に入れられる有様だ。 「…………ゅぐっ、ぇっぐ……」 まだその生活を始めて三日ではあるが、既にれいむは枯れんばかりに泣いており、自分の行いを死ぬ程後悔した。 子まりさは雑巾になった。主に親れいむが零した涙や猫の粗相を拭く際に使われる。 「いぢゃい゛っ、いぢゃいよ゛っ! ゆっぐじやべでね゛っ! まりしゃはじょうきんじゃにゃ──ゆぶべっ!」 帽子や髪、底部を強引にこすり付けて痛みと共に役立たせるのだ。もちろん、最後は普通の雑巾で拭き取るが。 子れいむは固形の猫の粗相の処理を命じられた。 嫌がる子れいむの口に強引に黒いそれをねじりこませるのだ。 「ゆっぐりやべちぇね! くちゃいよっ! ゆっぐぢでぎな────ゆぶぼっ!」 そして無理矢理咀嚼させて餡子に変換させる。 ちなみに子ゆっくり二匹が働かない時は、透明の箱に監禁させそこにムカデを放り込む。 片時もゆっくりせずに立ち向かえば食べられない程度の大きさのムカデだ。 そして残りの子ゆっくりは見せしめになった。 最初は生きたまま土に埋めようかと思った青年だったが、あまりの青年の怖さに失禁した瞬間、見せしめに使うことにした。 ゆっくり一家の目の前で竹串で体を貫かせ、ゆっくりと火あぶりにして殺した。 次粗相をしたらこうなるとゆっくり一家に知らしめたのだ。 その生活も二ヶ月もすれば段々と改善されて行き、やがて以前と同じぐらいの生活になった。 その頃には既に家族は三匹にまで減っていたが。 もちろん家族にはもう逆らおうと、生活の改善を要求しようなどという気概はない。 だが、家族が減ったため親れいむと親まりさが新しく産んだ子ゆっくり二匹はそうではなかった。 目の前で自分達よりゆっくりしている猫を見ては日に日に不満を募らせていって、 「ねこしゃんゆっくりしたかったられいみゅたちをゆっくりさせてね!」 二度目のゆっくりの反乱、ゆっくりべりおんが起こった。 おわり ────────── あとがきのようなもの 最近ネタが出てこないです と、いうか以前ほどゆっくり虐待衝動が湧き上がってこないんです……冬だからか ゆッカー ゆっくり求聞史紀 ゆっくり腹話術(前) ゆっくり腹話術(後) ゆっくりの飼い方 私の場合 虐待お兄さんVSゆっくりんピース 普通に虐待 普通に虐待2~以下無限ループ~ 二つの計画 ある復讐の結末(前) ある復讐の結末(中) ある復讐の結末(後-1) ある復讐の結末(後-2) ある復讐の結末(後-3) ゆっくりに育てられた子 ゆっくりに心囚われた男 晒し首 チャリンコ コシアンルーレット前編 コシアンルーレット後編 いろいろと小ネタ ごった煮 庇護 庇護─選択の結果─ 不幸なゆっくりまりさ 終わらないはねゆーん 前編 終わらないはねゆーん 中編 終わらないはねゆーん 後編 おデブゆっくりのダイエット計画 ノーマルに虐待 大家族とゆっくりプレイス 都会派ありすの憂鬱 都会派ありす、の飼い主の暴走 都会派ありすの溜息 都会派ありすの消失 まりさの浮気物! byキノコ馬 このSSに感想を付ける
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ゆっくり教 3KB 注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原始ゆっくりが居るのか!? だったら崇拝者がいるのも分かるなww -- 2018-01-24 14 17 14 なかなかイイ新興宗教だww -- 2014-03-18 18 28 25 こいつら迷惑な集団だな -- 2012-12-12 21 44 55 ある意味すげぇwwwww -- 2011-12-23 10 13 46 すごい世界だな -- 2011-05-28 15 13 59
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幻想郷。 失われた自然といまだ人が共存する地。 大地の恵み、川の恵み、風と雨に立ち向かい、その猛威を畏れ、恩恵に感謝する。 自然と対峙し、ときに糧を得るべく狩り、または育む。 人が自然の中に生きるために狩るもの…それは、ゆっくりと呼ばれる存在であった。 この村には風変わりな家がある。この家には一人の男が住んでいる。 村の規模はまだ小さく、発展の途上にあることが十分に伺える。頑丈な、これだけはまずしっかりと拵えた柵の内に村人は家を建て畑を耕し、しかし、この男と幾人かの村人は農民の生活に合わせず、 朝は遅くまでベッドの上、夜はいつ帰るともしれず、それでいて男を見る村人の眼はいつも尊敬の念にあふれていた。 そんな男の家は村の中心にあり、村長の家をしのぐ大きさを誇る。ただ、その形が異様だ。大きな台形のような外見で、二階には大きな窓が二つ、屋根は真っ黒に塗られ、天井は高く尖り、家の後ろには波打った藁のようなものが垂れていて、 近くで見るとつるつるとした壁肌が、村からゆっくり離れて、段々とその形が周辺の者なら誰でも見覚えある形にまとまって見えてくる。大きな、大きな、ゆっくりまりさの形に。 この男の家はゆっくりでできていた。 村の中で異彩を放つ、その家は庭のようにちょうど周囲を取り巻く柵を境に、ゆっくりを丸ごと家に改造したものなのだ。 かつて村を襲った脅威の一つ、10m級ドスまりさを剥製化して、職人を招き、住居として手を加えたもの。 あんぐりとあけっぱなした巨大な口には、すっぽりと豪奢な鉄のドアを嵌め込んで。 目の部分は二つの円窓を誂え。 皮は、樹脂とゆっくりの餡子を練りこんだ特製の油を塗りこみ、コンクリートのように硬化処理し。 風船のようにぷっくりと広げた内部は餡子を残らず抜き取って大黒柱と支柱を数本立て、床には絨毯を敷き詰め。 帽子と髪の毛も腐敗処理を施して屋根として利用してある。 この家はまさしく、「ゆっくりの家」だ。 そんな奇妙な家の内装もまた、あらゆるものがゆっくりで作られていた。 成体のゆっくり各種を背中から切り開き、餡子を抜いて代わりに綿を詰めて縫い合わせたゆっくり縫いぐるみ。 生きたままのゆっくりの頭部に穴をあけ、花の種を植えたゆっくり植木鉢。これはゆっゆっと掠れた声でぴょんぴょん跳ねながら、頭の花をゆらゆら揺らしている。 柱に打ち付けられたゆっくり時計。膨らんだ腹部に鳩時計と同じ仕掛けを施し、定時になると生まれたての赤ん坊ゆっくりがぽーんと転がり出てくる。 箪笥や、床に置いた道具箱などもゆっくりから拵えたものばかり。 なぜ、これほどにゆっくりにこだわるのか。男にしてみると、こだわるとかそういった問題ではなかった。ただ、生活に関わるあらゆるものが、ゆっくりであっただけで… この男の職業は、ゆっくりハンターだから。 人口は百足らず。時折訪れる行商人とのわずかな交易と狩りの成果に頼る小さな村は、つい最近の開拓によって作られた。 都市を出て郊外を離れ、ずっと森の中に分け入ったさらに先、自然の趣たっぷりな平野に新天地を求めた人々によって築かれた。 だが、そこは伝説でしか知られない不自然の脅威にさらされる地だったのだ。 大きな森や山に必ずいるという、生まれつきの素質をもつ個体が、強運と狡猾さで生き延びて、群れを支配するまでに巨大化した、ドスまりさ。 都では滅多に確認されない、ドス級の巨体に加え、鮮やかな桜色のリボンがトレードマークのれいむ種、リオれいむ。ドススパークに匹敵する火炎球を放つという。 姿かたちは元の種と変わらず、やや大きめの体に人間でも追跡できぬ異常な素早さと凶暴性を秘めた、ちぇんクック。さらに凶悪なちぇんガルルガなる種も噂に語られる。 遠目からでも、地響きと20mという巨体ゆえに目立つ、ティガれみりゃ。 それ自体が一つの山と数えられ、もはや災害そのものにまで増長し、都の防衛庁が対策を講じねばならぬという、ラオシャンみょん。 もはや伝承ですら語られることも稀な、 伝説に忘れ去られた古代の知識を身に着け、天を裂き山を揺るがし、自然現象を操る超常の種、ミラボレぱちゅ。 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 辺境の村はどこもゆっくりの脅威に晒された。ある村は蝗の様に襲いかかるゆっくりの大群に畑を食い尽くされ、ある村は見たこともない巨大なゆっくりに家を踏み潰され、村があった場所はもはやただの平原に変わったという。 ゆっくりを対処する手段が求められた。ゆっくりを研究し、ゆっくりにのみ通用する毒やゆっくりの本能を刺激して罠にかける方法が編み出された。だが、それだけでは足りなかった。 小さなゆっくりには人的手段が通用したが、災害に等しい巨大種には常人では対抗しきれない。 そうして立ち上がったのが、ゆっくり虐待派と呼ばれた青年たちだった。はじめ、彼ら彼女らは生き物を無残に遊び殺すと忌避された。しかし、ゆっくりを様々な方法で玩ぶうちに、虐待派はゆっくりのあらゆる特性を学んでいった。 彼ら彼女らはただゆっくりを殺害する手段だけではなく、生活に役立つ道具としてゆっくりを加工する手段も編み出していったのだ。 いつの間にか、森に棲むゆっくりを狩り、ゆっくりから武器や防具を加工して、仲間同士で連携して巨大種を倒す技を身につけた者を 「ゆっくりハンター」 と呼び、いまや開拓村、辺境の町ではなくてはならない存在となった。 ハンターには素質が必要だ。それはゆっくりを傷めつける虐待の精神がなにより重要とされる。 ゆっくりは極めて世代交代のサイクルが短い。また、個体自体の「進化」と他の生命体なら呼ばれるだろう環境への適応能力もまた著しく高いのが特徴である。 その最たる例が、『虐待などで過度のストレスを長期受け続けたゆっくりの餡子は非常に甘くなる』というものである。 これは殆どのゆっくりに当てはまる、環境への自己適応である。 ハンターはゆっくりを狩り殺すだけが能ではない。生業として成立するために、ゆっくりから様々な道具を作り出す知識を身につけている。ゆっくりにかける負荷の度合いや部位によって、硬度や弾力性に変化を持たせることで、 巨大種の皮や餡子、または眼球や舌などから衣服、調度品、薬品、そしてハンターがゆっくりを狩るための武具を作り出すのだ。 ゆっくりを狩る者にも色々いるが、(都では、身長を超えるような大きな玄能を嬉々として振り回す少女のハンターがいるともっぱらの噂だが)時には、胴体付きゆっくりを捕獲して調教ないし教育し、 ペットや使用人、あるいは狩りの手伝いをする助手として利用することもある。 この開拓村に、ゆっくりの家を造って暮らす男は、随一のハンターである。討伐、捕獲、採集、あらゆる依頼をこなし、かつてはラオシャンみょんの進行を阻止する要塞戦で勝利を収めたほどの猛者だ。 日が沈み、夜が訪れる頃。 男の家に客人が現れた。村長だ。曲がった腰を杖で支え、ドアをゆっくり叩いた時、男はちょうど食事の時間で、飼いゆっくり(ピンクと白の縞々帽子をかぶせたまりさ)を撫でながら、コックのれみりゃが作った小籠包を味わっていたところだった。 村長の用事はわかっていた。それは依頼だ。 「急ですまんがの。また森のほうでゆっくりがあらわれたそうじゃ。行商人が依頼を持ってきた。なんでも近く都のほうで新しい建設の計画があるそうじゃが、その付近で凶暴なゆっくりが群れをつくっとるそうじゃ。都から派遣されるハンターと共同で討伐してくれとの。」 男はそれだけ聞くと、口元の肉汁を拭い、膝の上のゆっくりを払い落して無言のまま、壁に掛けた武具を取り出し装着した。 彼が身につけるのは、かつてラオシャンみょんを討伐した際、剥ぎ取った表皮を乾燥させ、薬品に漬けこむことで銃弾の衝撃を吸収するほどの耐衝撃性をもたせたものを甲冑として鍛えた「暁丸」、 武器はラオシャンみょんの牙を削った太刀「楼観剣」である。 準備が整うと、村長が手配したゆっくり車(底部に車輪を取り付け、横長に変形した2m級のドスまりさ二体が牽引)に乗り、鞭を振るった。 ひぃっと小さく声を上げると、ドスまりさがゆっくりと移動を始めた。 地図に示された狩り場に辿り着くのは深夜。もっとも狩りに適した時間だ。それまで男は休息を取るべく目を閉じた。ハンターの習性ゆえに、男はすぐに眠りに落ちた。 目が覚めた時には、非情かつ冷酷なハンターがそこにはいるだろう… (続く) おはようとそしてこんにちは、それからこんばんは VXの人です。 どうしても書きたかった。後悔はしてはいけないと信じてる。シンジテル。 このSSに感想を付ける
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一応現代設定です。 激しい虐待描写はありません。 『ゆっくりだまし』 突然だが、僕には昔からとある悪癖がある。それは「猫だまし」。 相手の顔の前で両手をパーンと叩き合わせて怯ませるのが主旨のあれだ。 僕は人と話したりしていると、ついついその相手に猫だましをやってしまうのだ。 別に驚く顔が見たいとかそういう訳でもなく、ふと理由も無しに誰彼構わず標的にしてしまう。 勿論、見知らぬ人とか目上の人にはやらない。小さい頃は学校の先生にやって怒られたけど。 でも知り合って間もない友人なんかにはやってしまうので、みんな嫌がって僕から離れていく。当然だが。 そんなこんなで、友達は少ないし家族も冷たい。猫だまし一つで社会不適合者まっしぐらだ。 こんな癖は直さないといけないと常々思ってはいるが、人の顔を見るとどうもムズムズして仕方がない。 一度にまとめてやってしまえば、その後しばらくは我慢出来るのだが。 「つまりさ、せめて思うさま猫だましさせてくれる人が傍にいればなぁ」 「ゆっくりにでもやってろ!」 数少ない友人が僕に良いアドバイスをくれた。 多分嫌味で言ったんだろうけど、僕にとって優れた助言であることは確かだ。 ゆっくりなら人の顔に……まあ見えなくもない。若干デフォルメされてはいるが……。 ということで僕はゆっくりショップに赴き、一匹の安物ゆっくりれいむを購入したのだった。代金500円也。 購入時、れいむは箱に詰められながら「これでゆっくりできるよ!!」と大喜びだった。どんな暮らしをしてたんだろう。 「ゆっくりしていってね!!」 アパートの部屋に帰って箱から出してやるなり、舌足らずにそう叫ぶれいむ。 サイズはソフトボールより一回り大きい程度か。道に転がっていたら踏みつけてしまいそうだ。 近くで向き合ってみると相当不気味だが、慣れるとカワイイらしい。 「していってね、ってなあ。それは自分の家に来たお客さんに言うことだろ」 「ゆ・・・?ここはれいむのおうちだよ!!」 「違うよ、ここは僕の家……いや、これからはお前の家でもあるのか」 「そうだよ!ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、れいむもゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!・・・ゆゆ゛! ごごはれいむのおうぢなの!!なんでおにいざんがゆっぐりじでいっでねっていうの゛!!」 想像以上にめんどくせー奴だな……。 まあ良いや。店員さんによると「結構、適当に飼ってても大丈夫ッスよ」とのこと。 でもペットショップの店員さんって、他のデリケートな小動物なんかの飼育にも詳しいんだよな。 そんな人が言う「適当」の基準がいまいち解らない。 まあゆっくりだったら死にそうになったら自分から言うだろう。適当に扱わせてもらおう。 「れいむおなかすいてきたよ!」 「じゃあ何か持ってこようか」 「ゆっ!ゆっくりごはんもってきてね!!」 自分の家だと言っておきながら、何だこの「精々もてなしてもらおう」って態度は…… ん? 「おなかすいてきたよ」は独り言か。そういえば僕も「腹減った~」って言うもんな。 しまった、じゃあ無視すべきだったんだ。僕を独り言に応じて動く奴隷だと認識してしまうぞ。 とは言え、今は期待の視線を送るれいむを放っておくわけにもいくまい。 パン!! 「ゆ゛ゆ゛!!??」 あ、つい猫だまししちゃった。人の顔っぽいものを見てるとねー。銅像とかにもやっちゃうし。 れいむは驚きに目を見開いて固まっている。その顔は意外とカワイイ。これなら愛せるかもしれない。 「おにいさんなにするの!!びっくりさせないでね!!ぷんぷん!!」 今度は頬を膨らませて怒っている。これはあんまりかわいくないな。 僕は生ゴミ入れから綺麗に剥いたリンゴの皮を二枚拾い上げると、お皿に盛ってれいむの前に出した。 ついでに量とバランスを考えて、トマトのヘタとかジャガイモの芽も出してあげたよ。 ジャガイモの芽は毒があるので大丈夫かなと思ったが、その辺は適当にしといた。 「ゆゆっ!ごちそうだね!ゆっくりたべるよ!」 この生ゴミがご馳走か……ペットショップでは何食わされてたんだろう? きっと好き嫌いしないゆっくりに育てる為のお店側の配慮に満ちた滋養食だったんだろうな。 れいむはお皿に顔を突っ込む。つまり全身を突っ込む。犬食いってレベルじゃねーぞ! 渦状のリンゴの皮をツルツルと蕎麦を啜るように口に入れていき、他のゴミも口に含むと、 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 と歌いながら食べ終え、目を潤ませつつ満面の笑みを浮かべた。実に簡単な食事だ。 リンゴの皮はもう一枚ある。それをツルツルと口に収めると、「むーしゃ、むーしゃ」と言い出す。 バーン!! 「しあゆ゛ぐっ!!!!」 歌の途中でびっくりさせられ、息が詰まったようになるれいむ。相当フラストレーション溜まったろうな。 相当気に障ったのか、ぷるぷると震えて目に涙を浮かべている。 うーん、良いリアクションするなあ。人間相手にはそこまで反応に期待してなかったけど、これはやる気出るわ。 ところでジャガイモの毒は大丈夫だったみたいだ。生野菜を食べるゆっくりもいるというし、効かない毒もあるのかも知れない。 さて、ごはんを食べたら次は何だろうか。まだまだ元気そうだし、遊びの時間かな。 遊びと言っても、一体何をして遊ぶのだろうか。どうすると楽しいのだろうか。つーかこいつらに人生の楽しみなんかあるのか? 疑問は尽きないが、とりあえず何かを与えてみよう。 人間の子供は、人の形をした人形で遊ぶ。そんな単純な思いつきから、ゆっくりのように丸いスーパーボールを与えてみた。 目の前にコロコロと転がしてみる。 「ゆ?ゆっくりまってね!」 れいむはぴょんぴょん跳ねて追いかける。顔がぐにゃりとしなる様子はなかなか怖い。 ま、何事も慣れだよ。慣れ。 やがて勢いを失ったボールに追いついたれいむは、ボールを口に含んだ。 「むーしゃ、むー・・・な゛にごれ゛!!」 まだごはんの時間だと思ってたらしい。 新しい食べ物と勘違いしたようだ。ちゃんと言うべきだったな。 「ごはんの時間はもうおしまいだよ。それはれいむのために持ってきたおもちゃだよ」 「ぷんぷん!もっとはやくいってね!!」 シパーン!! 「ぷひゅっ!?」 怒った顔に少しムカついたので、猫だまししてみた。驚きで唇が緩み、頬に溜められていた空気がプシュっと抜ける。 そのマヌケな顔に、僕もぷっと吹き出してしまった。 そのまま手を合わせてゴメンネと言い、猫だましがさも謝る為の動作だったみたいな感じにしとく。 「じゃあ、しばらくそれで遊んでいてね」 もう一度怒る隙を与えず、僕はその場から離れる。れいむは目を白黒させていた。 何かスーパーボールが喉に詰まったみたいになっていたが、ゆっくりに喉なんか無いしその内吐き出すだろう。 「ゆっゆっ!たまさん、ゆっくりしてね!ころころー♪」 本を片手に、隣の部屋かられいむを見守る。言いつけ通りにスーパーボールで遊んでいる。 口から慌てて吐き出したボールが壁にポーンと跳ね返るのを見て、遊び方を思いついたみたいだ。 上に覆いかぶさってコロコロと転がしたり、体のしなりを利用してボールを弾き飛ばし、壁に跳ね返させたり。 なかなか楽しそうに笑っている。ゆっくりの生活ってイメージ湧かなかったけど、皆こんな感じなのかなあ。 壁に跳ね返ったボールが僕のいる部屋に転がってくる。それを追いかけて来たれいむが、ふとこちらを見上げた。 僕が読書しながらつまんでいた麦チョコに気付いたらしい。目ざとい奴め。 「ゆっ!おかし!!おにいさん、れいむにもゆっくりちょうだいね!!」 「しょうがないなあ」 お菓子が美味しいという知識はどこから仕入れたのだろうか。 まあこいつら自身がお菓子なんだから、同じお菓子には多少詳しくても不思議は無い……よね。 小皿に麦チョコを盛り分け、れいむの方に持っていってやる。 「ゆっゆっ♪はやくちょうだいね!!」 「ゆっくりなのか早くなのかどっちだよ……やれやれ」 そしてれいむの目の前に皿を降ろす。 と同時にシュパーン!! 「ゆひっ!!」 猫だましである。お菓子によだれを垂らしていた顔が、急激に緊張に引き攣る。面白っ! れいむは怒っているのか、申し訳程度に目が吊りあがっている。頬を膨らませるのも忘れて口汚く怒鳴り始めた。 「なにずるの!!びっぐりざぜないでっていっでるでしょ!!ばかなの!?じぬの!?」 「あれ? お菓子いらないの?」 「ゆ!?ゆっくりたべるよ!!」 目の前に置かれた麦チョコの山に気付くれいむ。 お菓子に釘付けで、もう僕の事なんか眼中に無いみたいだ。一口頬張り、「しあわしぇー!」と叫ぶ。 もう怒っていたことは忘れたらしい。さすがに適当な性格をしている。 夜になり、晩御飯の時間が訪れる。 小さい身体にお菓子を詰め込んだので、れいむはもうお腹いっぱいだろうと思ったが別にそんなことなかった。 あれからずっと遊んでいたから、全部エネルギーとして消費しきったのかも知れない。 れいむをテーブルの上に乗せてやり、米やおかずを平たい皿に盛る。ご飯は向き合って食べないとね。 れいむは「ごはん」と聞いた時から嬉しそうに跳ね回っており、今もご馳走を目の前にウズウズと体を揺すっている。 「それじゃ、いただきまーす」 「ゆっ?いただきまーすってなあに?」 「ご飯を食べる時には挨拶するんだよ。ご飯を作った人と、材料になった生き物に対してね」 「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!ごはんさん、れいむにゆっくりたべられてね!!」 「アホウが。命令ばっかりしてないで少しは恭しくしなさい」 「ゆ゛ぎゅうううううぅぅぅ」 しゃもじでれいむの頭を押さえつける。あ、ちょっと口から餡子漏れて来た。きったね。カエルの胃袋みたい。 再三に渡って言い聞かせた末、れいむは「いただきます」をちゃんと言うことが出来た。 躾はこうやってやればいいんだね。少しゆっくりの扱い方が解って来た気がする。 ちなみに会食中は猫だましはしない事にしている。何故って? 自分がやられた時の事を想像してごらんなさい。 今日はオムライスを作ってみた。れいむの分は僕のものの半分程度のボリュームで、大皿の中央にこじんまりと盛ってある。 昼の食事で、どうもゆっくりには食べ物を散らかす癖があるらしいことが解った。それを考慮しての対策である。 れいむは皿に飛び乗り、ぷるんと震える半熟焼き玉子の一部分を啜るように食べた。 「むーしゃ、むーしゃ・・・・し、ししししししあわしぇ~~~~!!!」 「お、おお……そんなに美味しいか?」 「しゅっごくおいちいよ!!すごくゆっくりしたごはんだよぉ~~~~!!!」 滂沱の感涙である。れいむが乗り上げたお皿の上に水溜りが出来ていく。ゆっくりの体液だから砂糖水か何かだろうか。 若干オーバーリアクションの気があるが、自分の作った料理でこれ程喜んで貰えるのは一人暮らし冥利に尽きるじゃないか。 生ゴミで喜ぶゆっくりの味覚がナンボのもんかは知らんけど、今は素直に図に乗っておこう。 「はふっはふ、むーしゃ、むーしゃ!!ししし、しあわむーしゃ!!」 「おいおい、ゆっくり食べなよ」 「む、むーしゃゆっぐり、じじしあわむーしゃ~~~~!!」 「つーかもう黙って食え!!」 「むちゃ、しあわ、ゆっ!?もうなくなっちゃったよ!!」 慌てて食った余り、皿に盛られていた分はすぐに無くなってしまった。 量の見積もりが甘かったか……とか思っていたら、当然のように僕の方のお皿に飛び込んで来た。 スプーンで咄嗟に叩き落す。 「ゆべっ!!ちょ、ちょうだいね!!ごはんゆっくりちょうだいね!!」 「やめなさい。人の分を取るのは」 「ゆっ、ゆぐ、ゆぐりごはんちょうだいね!!かわいいれいぶにだべざぜでね!!」 もう目がヤバイよこいつ……スプーンの腹でぐいぐいと押し返すが、ゆっくりらしからぬ力で抵抗して来る。 力を込めれば押し返せなくもないが、加減を間違えるとスプーンでれいむの身体を押し抜いてしまいそうだ。 それは危ないので、適当なところでスプーンを離して解放してやる。 バチューン!! 「ゆびっ!!!?」 そしてほとんど間を置かずに猫だましをお見舞いしてやった。食事のマナーを破った者にはやっても良い自分ルールなのだ。 全力でこちらに飛びかかろうとしていたれいむの足(?)の力は驚きに仰け反り、 れいむのお皿ごとテーブルから下に落下する。ちなみにれいむのお皿はプラスチックなんで落ちても割れない。 「ゆ゛ぎゃああああああぁぁぁぁぁ!!」 何かすごい悲鳴したな。それほど大きな音はしなかったんだけど。 テーブルの下を覗き込んでみると、れいむに覆いかぶさったらしい大皿がぐらぐらと揺れていた。 その下から涙目のれいむが這い出てくる。皿に溜まっていた自分の涙と、残留ケチャップを頭から被っている。 「ゆぐっ、ゆっぐ・・・れいむの・・・れいむのおりぼんがぁぁぁ・・・」 自分の頭は見えないはずだが、リボンが汚れてるのは何となく解るのだろうか。 髪飾りはゆっくりにとって大事らしいので、そういうことに敏感な奴がいてもおかしくはないのだろう。 僕はそんなれいむを一先ず無視して、ゆっくりとオムライスを食べ終えた。なかなか上出来だった。 さて、夕食を終えたら風呂に入る時間だ。汚れていたれいむも洗ってやるか。 「おーいれいむー、こっちおいでー。お風呂入るよー」 「ゆっ?おふろ?きれいきれいするよ!!」 リボンを汚してからしばらくゆっくり出来ていなかったれいむだが、お風呂と聞くとパッと笑顔になった。 ゆっくりの語彙力やら知識やらってどこから来てるのか良く解らないな。何が通じて何が通じないのか、見極めていかねば。 ともかくお風呂という概念は知っているようで、喜び勇んでこちらにピョコピョコ跳ねて来る。僕の目の前まで来たところで、 ヒュッ 「ゆっ」 寸止め猫だましである。れいむはびくりと体を強張らせ、来るべき衝撃に備えていたようだ。 そうして動きを止めたれいむをひょいと手に載せ、僕は風呂場へと向かった。 いきなり驚かせようとしたかと思えば優しくしてくる僕に、態度を決めかねたれいむは居心地悪そうに「ゆっ、ゆっ」と言っていた。 自分で言うのも何だけど、僕は猫だましに関しては完全に支離滅裂だからね。気が狂っとる。 服を脱ぎ、浴室へと入る。浴槽の蓋を開けると、室内は湯気に覆われた。 まずはれいむから洗ってやるか。 「ゆっくりあらってね!!きれいきれいしてね!!」 「はいはい、じゃあまずリボンを取ろうね」 「ゆ゛っ!!や、やべでね!!でいむのおりぼんどらないで!!」 リボンをつまんで解こうとしたら、全力でいやいやをされた。 髪飾りは大事だとは聞いていたが、これほど嫌がるとは……別に奪って燃やそうというわけじゃないのに。 「でもリボンを取らないと綺麗にできないよ」 「いやだよ!!おりぼんはとっちゃだめなんだよ!!」 「ね、ちょっとの間外すだけだから」 「ゆ゛ぅぅぅぅ!!い゛やあぁぁぁぁぁ!!おりぼんどらないでねええぇぇぇ!!」 「じゃあおリボン汚いままで良いのね!」 「やああぁぁぁだああぁぁぁぁぁぁ!!ゆっぐりでぎないの゛ぉぉぉぉぉ!!」 「れいむのバカ! もう知らない!!」 「ゆ゛びぇぇぇぇぇぇん!!おにーじゃんのばがあぁぁぁぁぁぁぁ!!」 一通りトトロごっこを満喫した後、リボンを黙ってひょいと取り上げる。ついでにもみ上げの筒も。 ずっとリボンの汚れからストレスを受け続けるよりは、今少しだけ我慢して貰った方がれいむの為だ。 れいむは遊びじゃなくて本気で嫌がっていたらしく、僕の裸の尻に何度も体当たりしてきてくすぐったかった。 鬱陶しいので、湯桶に入れて湯船に浮かべておいた。お湯に落ちるのを恐れてれいむは動けない。 「ここでゆっくりしててね。リボン洗っといてあげるから」 「や、やべで!!おみずさんこわいよ!!それになんだかここはあづいよ!! おりぼんきれいきれいしなくていいからかえしてね!!ここからだじでね!!」 無視である。 その間にリボンに石鹸をつけてゴシゴシ洗ってあげた。レースがちょっとほつれたけど問題無いだろう。 数分後、湯桶の中を見てみるとれいむが茹っていた。うわー、って感じ。 お湯の温度44度だからなあ。桶の中でも熱いか。 確か小さいゆっくりって、加熱し過ぎると身体が固まって死ぬんだっけ? 意外と今、生死の境目なのかも知れない。ちょっと適当にし過ぎたか。 「ゆ・・・ゆっぐぢ・・・・おりぼん・・・・」 なんとまだリボンに執着していた。本当に大事なんだなあ、無くても死にゃしないだろうに。 このままにしておくと死なないにしても辛そうなので、リボンを付けるのは後回し。 洗面器に冷水を溜め、熱くなったれいむの身体を浸してやる。 「ひんやりー!!ぷんぷん、れいむをあついあついにしないでよね!!」 完全復活である。適当な生き物で助かった、とほっと一息。 そのまま冷水の中で転がすようにして、れいむのモチモチした柔らかな身体を洗ってやる。 「ゆっゆっ♪ひんやりすっきりー!」 れいむはくすぐったそうに目を細めている。段々かわいく思えて来たかも知れない。 洗面器かられいむを上げて、湯船の縁に置く。そして後ろを向かせてリボンを結んでやった。 「えーと、ここをこうして……よし、これで良いな」 「ゆゆっ!!おりぼんもれいむもきれいになったよ!!とってもゆっくりできるよぉ~~~!!」 「うんうん。やっぱりリボン洗って良かっただろ?」 「ゆん!!おりぼんがないとゆっくりできないけど、きれいきれいしたらすごくゆっくりだよ!!」 正面を向かせて筒を填めながら、どんな感じか見てみる。 うん……少し曲がってるかな。まあ少しだし、問題無いよね。初めてリボン結んだにしては上出来だし。 れいむは涙を流してゆっくりしている。ちょっとした事でも感動の涙を流すな。感動表現の天井が尽きるぞ。 体も綺麗になり、リボンも戻って来た。抱えていた不安が全て解消され、れいむの顔は安心に緩みきっていた。 パヂーン!! 「ゆあ゛っ」 その素晴らしいゆっくりぶりに、僕は猫だましの拍手を送った。だってゆっくりのこんな顔見たらねえ。 で、つるん、ぼちゃんである。ぶくぶくとあぶくを立てて、れいむは湯船に沈んでいった。 「いやー、良い風呂だった」 「ゆぐ・・・ぜんぜんゆっぐぢでぎながっだよ・・・もうおふろい゛やだよ・・・」 「まあまあ、そう言わないで。きれいきれい出来たでしょ」 まあ色々あってれいむを無事救出し、僕は湯船でゆっくりしたのであった。 熱湯に沈んだのがよっぽど堪えたのか、れいむはずっと辛そうな顔をしている。 少し心配になったが、ゆっくりの回復力なら明日の朝にはまた元気になっているだろう。 「ゆぅ、ゆぅ・・・れいみゅもうねりゅよ・・・」 疲労と眠気で口がうまく回っていない。重たそうな瞼がうっすら開閉している。 布団代わりにと箪笥からハンドタオルを取り出し、畳んで床に敷いてやる。 そこにれいむを載せ、更にその上からハンカチを掛けてやる。これでゆっくり眠れるだろう。 「ゆふ・・・あっちゃかいよ・・・」 「おやすみ、れいむ……」 「おやしゅみなしゃぃ・・・ゆふぅ・・・」 屈み込んで覗き込む、とても安らかなれいむの顔。誰だって眠い時にふわふわの布団に入れば、こんな表情にもなるだろう。 見ているだけでこちらまでゆっくりしてしまう、とろけるような柔らかな笑顔だ。 うっすらと開いている小さな瞼が、段々と閉じられていく。僕も眠くなってきたよ、れいむ…… バッシィーーン!! 「かひっ!!!?」 おやすみの猫だまし。つきかけていた寝息はキャンセルされ、その呼吸音を聞いただけで心臓に悪そうなことが伝わって来る。 とろとろと閉じられていた瞼はバチンと見開かれ、まだ明かりのついた部屋いっぱいを映している。 布団に入っている時に地震が起きたのを感じると急激に目が覚めちゃうけど、今のれいむはあんな感じに近いのかな。 ゆっくりにしてみれば目の前で爆音が響いてるんだから、近くに爆弾落とされたようなものだろうか。 「おやおや? あんな重そうにしてた瞼を一気に開けちゃうなんて、れいむは重量挙げ世界一だね」 「ゆっ・・・ゆぐっ・・・ゆえっ・・・」 見る見る内にれいむの目の縁に涙が溜まっていく。口は意思とは無関係にへの字に引き攣っているようで、喋りづらそうだ。 「どっ、どぼじで・・・どぼじでれいみゅをびっくりさせるのぉ・・・ゆっぐちさしぇてよぉぉ・・・」 「ゆっくりさせてるでしょ? 美味しいご飯もオモチャもあげたし、お風呂で身体を綺麗にしてあげたよ」 「でも・・・でもばちんってやられりゅよ・・・ほ、ほかのこちょはゆっぐちできちぇるのに・・・ ばちんってやられたらゆぐ、ゆっくちでぎないよ・・・」 「もう、こんなにゆっくりさせてあげてるのにまだゆっくり出来ないなんて。れいむは贅沢過ぎるよ」 嗚咽交じりに話すれいむに向かって、ヒュッ、と猫だましを寸止め。 びくりとれいむの身体が震えた。数秒置きにやってみても、その都度律儀に身体を強張らせる。寸止め遊びも楽しいなあ。 「やめっ、やめでねぇ・・・れいみゅ、れいみゅはおねむなんだよ・・・ゆっぐりねたいのぉ・・・・」 「うん、そうだね。今日は色々あって疲れたろ、ゆっくりおやすみ」 そう言って僕は立ち上がり、自分の布団へと向かう……最中に、何度かチラッとれいむに振り返ってみる。 もうそれだけでびくっ、びくっとれいむは全身を強張らせている。瞼も重いのにおちおち閉じられない。 少し離れた所に敷いておいた布団に入った後も、僕は時々頭を起こしてれいむの方を見る。 そうして視線を送るだけで瞼が押し開けられ、身体が小さく伸び上がる。 「ゆひっ・・・お、おにーしゃんもはやくすやすやしてね・・・れいみゅをねかしぇてねぇぇ・・・」 れいむはぽろぽろと涙をこぼして敷き布団代わりのタオルを濡らし、その柔らかだった表情は不安によって歪められている。 僕がれいむの方を見ていない間も、僕のことが気になって全然ゆっくり出来ていないみたいだ。かわいいやつめ。 そのまま二時間ぐらい互いに眠れない時間を過ごしたが、いつの間にかれいむは泣き疲れて眠っていた。 僕も初めてペットの世話をした疲れからか、自然と瞼が下りていった。 これで思う存分猫だましが出来る、しかもリアクションも強くて意外にやりがいがある。良い買い物をした。 そんな風に思いながら、僕は眠りに落ちていった。 翌朝。僕が目覚まし無しで目覚めると、横ではれいむがまだすやすやと眠っていた。 今日は朝から大学に行かなきゃならない。これから家族で朝ご飯にするんだから、れいむには起きてもらわないと。 「おーい、れいむさーん。朝ですよー。起きてくださーい」 「ゆぅ・・・・ゆふ・・・・・すやすや・・・・ゆぅん・・・・・」 優しく起こしてみるも、気持ち良さそうに寝息を立てている。「すやすや」って言ってるもん。はっきり。 でも朝は起きなくっちゃあならない。それが我が家のルールである。うっかり昼夜逆転とかしてみろ、酷いことになるぞ! 「れいむー、起きてねー!」 「すーや、すーや・・・・ゆん・・・・・ゆぅ・・・・」 強めに呼びかけても、まだ起きる気配は無い。 パァーン! 「ゆがひっ!!!??」 飛び起きた! ハンカチの掛け布団を払って飛び起きた。目覚ましには猫だましが一番、と。 幸せだった夢の風景でも探しているのか、辺りをきょろきょろと見回しているれいむ。 しかしそこにいるのは僕だけだ。僕の姿を認めると、れいむの表情は一気に暗くなった。失敬な。 「おはよう、れいむ。これから朝ご飯を食べるよ」 「ゆっ、ごはん・・・」 おや? 食い意地が張っているれいむなら、ごはんと聞けば飛びついて来そうなものだけど。 低血圧なのかも知れない。低餡圧かな? 何にせよ、朝ご飯はしっかり食べた方が良い。 僕から逃れようと身をよじるれいむを捕まえて、テーブルの上に載せてやる。 今日の朝ご飯はフレンチトースト。砂糖もたっぷりかかっていて、甘いもの好きのゆっくりにはたまらない一品だろう。 しかしれいむには、昨日のような飛びかかるような勢いは無い。「いただきます・・・」と呟き、 ちびちびとトーストを食んでいく。次第に「むーしゃ、むーしゃ」と幸せそうな顔になるものの、「しあわせー♪」とはやらない。 朝食を終え、持ち物の確認をしている間にれいむにはおもちゃを与えた。 しかし横目に見る限り、昨日のように溌剌と遊ぶれいむの姿は見られない。 何か怖いものに近付くように、おもちゃに身体の端を触れさせては離れる、というような行動を繰り返している。 いざ出かける段となったが、まだ少し時間に余裕がある。 僕はれいむと少し話をしてみることにした。 「れいむ、朝から元気無いけどどうしたの?」 「ゆぐっ・・・」 僕がれいむに目線を近づけようとしゃがみ込んだだけで、れいむは親にぶたれる子供のように身を屈める。 昨夜の状態がまだ続いているみたいだな。ゆっくりは忘れっぽいと聞いていたのだが。 問い質してみると、れいむは涙ながらに語り始めた。よく泣く奴だ。 「だっで・・・だっで、ゆっくりしてるとばちん、ってやれれ、やられりゅんだもん・・・・ ごはんやおかしをたべると、ばちんってやられるもん・・・おもちゃをもりゃ、もりゃうとばちんされるもん・・・ ばちんってさりぇ、さりぇたら、すごくゆっぐち、でぎなくなるんだもん・・・ゆっぐ・・・ゆえええぇぇぇぇ・・・・」 うーん、何を言ってるのか解らないぞ。でもお饅頭の言うことだし、ちょっとこっちで考えてみよう。 もしかしたら、昨日の猫だましに関する記憶が全部まずい具合に繋がっちゃってるんだろうか? お菓子をあげる時に猫だましもしたし、ご飯の時に猫だましして全身ケチャップまみれになったしな。 「ゆっくりする→猫だまし」と「猫だまし→ゆっくりできなくなる」がなぜか結び付いて、 「ゆっくりする→猫だまし→ゆっくりできなくなる」、即ち「ゆっくりするとゆっくりできなくなる」になったのか。 実際、風呂や寝る前には時はその公式通りになったので、多分それで確信へと至ったのだろう。 また湯船に落ちたトラウマが蘇るため、単純に驚かされること自体も耐えられなくなっているようだ。 「でもなあ、お前はゆっくりだろう? ゆっくりがゆっくりしてないでどうするんだ」 「なにいっでるの・・・おにいざんがばちんするからでしょおぉぉ・・・・・」 「そうか……じゃあ解った。もう猫だましはやめるよ」 「ゆ・・・?ほんとう?」 「ああ、俺もペットのゆっくりにはゆっくりしてて欲しいしね」 「ゆゆ・・・ありがちょう・・・」 バチン!!! 「ゆっひっ!!ゆがああぁあぁぁぁぁあぁぁ!!おにいざんいった!!もうばちんしないっでいっだぁぁぁぁぁ!!」 「え~、だってれいむが凄く安心した顔してたからつい……でもびっくりしてるれいむはカワイイよ」 「れいむびっくりじだぐないよぉぉぉぉぉぉ!!!どぼじでごんなごどずるのおぉぉぉぉぉ!!」 「んなこと言われてもさあ、僕は猫だましをする為に君を買ったんだよ」 「ゆ゛・・・・な、なに・・・・・?」 「猫だましするなって言うなら、れいむを飼う意味が無いわけだよ。捨てるか潰すかしちゃうよ」 「ゆ゛ゆ゛!!やべでね!!やべでね!!れいむをごろざないでね!!でいぶじにだぐないぃぃぃぃ!!」 バチン!! 「ゆびゃびゅっ!!!??」 「そんなことしないよ。せっかく猫だましが楽しくなって来たのに……今まで何となくやって来たけど、楽しいのなんて初めてなんだよ。 多分もうれいむに猫だましをしないと満足出来ないんだよ。それにれいむにご飯や寝床を上げるのも多分僕だけ。 これって素敵な共生関係だと思わない?」 「ゆぎぃ・・・ぞんなのゆっぐりできないよ・・・れいむもうびっくりしたくないよ・・・」 「びっくりするのが君の生存意義なんだって。まあ『ゆっくり』と『びっくり』で一字しか違わないし、その内慣れるでしょ。 慣れたらまた新しいゆっくりに替えると思うけど」 「ゆ゛ぐ・・・おにいざん・・・・」 バチン!! 「がひゅっ!!??」 「あ、そろそろ出かける時間だ。急がないと」 「ゆゆっ!!れ、れいむおるすばんしてるよ!!ぜったいににげないからね!!まどはあけておいていいよ!!」 「いや、学校で不意に猫だまししたくなった時に困る。もう友達とか教授相手にやるわけにはいかないからね。 君は携帯猫だまし機として持ち歩くことにしよう。ずっと一緒にゆっくりしようね!」 「やべでね!!れいむおうぢにいるの!!おにいざんとあそびにいぎだぐない!!やだよおぉぉぉぉぉ・・・」 大事なパートナーであるれいむを、購入時に入れていた小さくて丈夫な箱に収め、通学用カバンに放り込む。 れいむさえいれば、長年の性癖ともおさらば。新たな猫だましライフ……いや、ゆっくりだましライフが今始まるんだ。 朝の陽光は、僕らを祝福するように明るかった。僕は新生活への一歩を今、踏み出した。 FIN このSSに感想を付ける
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近年、幻想郷で発見されるようになった謎の生物『ゆっくり』。(以下ゆっくり 幻想郷における著名な人物と似ているが、実際に当人との関わりは無く、 その実態は饅頭であったり肉まんであったりと謎が多い。 しかし特徴として、そのほとんどに共通して食べることが可能であることがわかっている。 現在では森に加工場が設けられ、安全に、また低価格で庶民の手に渡り、食べ物として広く愛されているゆっくり。 ここではそのゆっくりの生態について、一番生息数が多いと思われる霊夢種と魔理沙種を対象に限定し、 身体的な特徴とその生活を、実例と実験を踏まえてまとめていきたい。 1・身体的特長 霊夢種、魔理沙種ともに幻想郷における有名人、博麗霊夢氏、霧雨魔理沙氏の顔とそっくりな顔つきをしている。 (他にもレミリア=スカーレット氏や魂魄妖夢氏等と、その種類は多岐に渡るがここでは割愛する) 霊夢種、魔理沙種はゆっくりのなかでも一番一般的なもので、個体数は総ゆっくりの65%を占める。 全長は20~50Cmと個体より大きく差がでている、幼生のものは10~20Cmほど。 また、運動不足や栄養の過剰摂取に左右されサイズは変化する。 恒温動物であり、平常体温は36~38度ほど、寒さ、暑さの変化に弱く、長時間その状態が続くと死ぬ。 顔だけで身体が構成されており手や足等の部位は存在せず、移動は跳躍によっておこなわれる。 皮膚は非常に柔らかく弾力に富む、しかし強い衝撃を受けると変形してしまうおそれがある。 中身は餡子がつまっており、解剖結果では脳や各種消化器官は発見されていない。 また食物を摂取することが知られているが、食べたものがどこへ消えたかはまだ解明するに至っていない。 中身に詰まっている餡子は分析結果によると、小豆から調理して作った餡子とまったく成分が同じであることがわかっている、 一般に出回っているものは工場で加工済みのものが多いが、生のまま食べても問題はない。 不思議なことに、肺や血液等の器官は見つかっていないにもかかわらず呼吸をすることで知られている。 水中、真空での活動実験では、30秒ほどで集中力の低下、頭痛や耳鳴り、精神不安、1分ほどで全身の痙攣 3分ほどで意識喪失、神経障害、呼吸停止等の酸素欠乏傾向の結果が出た。 聴覚、嗅覚、味覚、視覚、触覚の五感を有し、痛みや臭い等にあわせて反応する。 その他、喜怒哀楽の感情を有すると思われる。感情にあわせて発汗、流涙が確認できている。 有性生殖を行う姿が確認されているが、生殖器らしいものもまだ見つかっておらず、また雄雌の存在も確認に至っていない。 生殖後は母体の頭から数本の蔓がのび、その先に実(子供)をみのらせる。(一度で4~6個ほど) その後、母体は黒く朽ち果てることが確認されている。 振動を与えると性的快感を得る、この習性をつかって人為的に繁殖時期を調節することも可能である。 またオーガズムを迎えても、生殖が成功しない限り個体が死ぬことはない。 強制的なオーガズムを持続的に与える実験では、10分で判断力の低下、失禁、 30分で強い痙攣、失神、1時間で中枢神経障害、脳障害と類似した症状が確認されている。 頭髪を全て刈り取る実験の結果、育毛、発毛が確認され、一定の長さで髪の成長がとまることがわかっている。 身体への外傷に対し、ある程度の再生力を持つ、ただし大きな肉体の欠損時には完全に再生しない。 繁殖時に蔓が頭から延びることから”植物ではないか”との見解もなされている、 動物であるか植物であるかの分類は今後の課題であり、慎重に検討する必要がある。 また野生のゆっくりを生のまま食べることができるよう、ゆっくり達の病原菌保菌例は非常に少ない、 今後はウィルスや菌等への抗体を調査する実験もとりおこなう必要がある。 2・習性と生活 ゆっくりの鳴き声は主に「ゆっくりしていってね!」「うー!」等、これはゆっくりがゆっくりである所以ともいえる。 習性として”ゆっくり”することを好み、またそれを生きる目的として活動している。 (ここで示すゆっくりとは、のんびり、気ままにする、という意味のほか、楽しく、快適に等様々な意味を含む) ゆっくりは基本的に昼行性である。早朝に起床し、夜は睡眠をとる。(種類により例外もある) 野生のものは草原や森に生息している、しかし最近は人にペットとして飼育されたり、家畜として工場で加工されたりしている。 また水辺で水浴びする姿も目撃されている、基本的に綺麗好きであると思われる。 雑食であり、野生のものはバッタや蝶等の昆虫、雑草などを主に捕食する。 また人間とほぼ同じ味覚を持ち、人間が食べることが出来るものは同様に食べることができる。 (ここのところ野生ゆっくりが人里の畑を荒らす事件が世間で問題視されている) 知能は低く、危機感知能力に乏しい。また悪意に鈍く人を疑うことを知らない。 学習能力もあまり高くなく、同じ失敗を何度も繰り返す姿をよく見られる。 しかし意思疎通できる程度人間とは会話が可能である、 生まれたばかりの個体は限られた言葉しか喋ることができないが、経験を得て様々な会話ができるようになるのが確認されている。 寿命は明らかになっていない。自己防衛能力が無いため、およそ1週間~4ヶ月ほどで外的要因で命を落とす。 幼生から成体へと成長するまでにおよそ3~5週間ほどかかる、しかし工場で養殖されているものは成長が早く2週間ほどで成体へと成長する。 (これは十分な餌の確保が可能であるからと思われる) 生まれたときからリボン及び帽子の装着が確認される、またこれは取り外しが可能である。 これらを個体から取り上げると嫌がる傾向がある。 また野生で育ったものと、養殖されて育ったものでは運動能力に面白い変化がでている。 強制的にランニングする機具(河童製)にて5分間でどれほどの距離を移動できるのかを計測したところ、 養殖されて育った個体が約1.5㎞地点で絶命したのに対し、野生の個体は約4km地点で絶命した。 このことから日々の運動によって、同じ種類のものでも個体によって体力に差がでることが明らかになった。 野生のゆっくりは冬の終わり頃から活動をはじめ、春、夏、秋と活動し、再び冬を迎えると冬眠する。 (冬眠中のゆっくりは木のうろ等で発見されている) 管理、飼育されている個体は、冬でも活動することができることがわかっている。 ゆっくりは意志疎通の手段を持っていながら、同族同士での社会を形成せず基本的に個々で生活する。 稀にゆっくり同士での2~3の集団を見かけるが、行動を共にしているだけであり、そこに格差や利害関係は無いと思われる。 また同じ母体から生まれた同士でも、その個体間に家族意識は無いものと推測される。 ここまでその生態についてまとめてきたが、まだ解明されていないゆっくりの謎は多い。 現在は、甘味として食べ物に、観賞用としてペットに、と幻想郷の人々と密接な立場にあるゆっくり達、 幻想郷の生活環境向上のため、今後とも研究を重ね、単純労働や危険労働等、家畜として別な用途の発見を目指していきたい。 ~永林氏によるゆっくり研究より~ 読みにくい箇条書き失敬 読んでて眠たくなった人も多いかも でも、なにか今後のいじめの方法の足掛け材料になると嬉しいっす